裏生徒会部
「…はぁ……はぁ…俺様…疲れた……」
「若、大丈夫?」
「引き籠りには辛い…」
「柊也にあとでお礼言っておかないとな」
「あと、明日は捕まらねぇように計画立てておかねぇと。仁、女装でもしとく?」
「奏十もやるならやってもいいぜ?ん?」
「すみません、嘘です。やりません」
計画通り、最初に訪れる予定だったお寺に着いた。
やっぱり1番有名なお寺なだけあって、人が凄く多い。
他校の修学旅行生みたいな人達もちらほらいる。
仁は何かを思い出したかのように、鞄の中から1枚の紙を取り出した。
「ほら、一。お前こういうの好きそうだから旅館の人に貰っておいたぜ」
「ん?なんだこれ?」
「スタンプラリー。俺らが行く予定の寺のほとんどにある。しかも期間限定。あと全部集めたら何か貰えるらしい」
「おおおお!!まじか!!すげー!!やるやる!!」
「若、復活早いね」
先程まで走って疲れていた一くんは一瞬の内に元気いっぱいになった。
確かにスタンプラリーとか好きそう。というか好きみたいだ。
仁から紙を受け取ると目をキラキラと輝かせながら、端に書かれている文字を真面目に読んでいる。
「それにしても、やっぱり人多いね。迷子になっちゃ駄目だよ、静音ちゃん」
「なんで私なの」
「携帯忘れてるぐらいだからなぁ」
「うっ…」
そうだった。私、携帯忘れてたんだった。
迷子になったらやばい、本当に。