裏生徒会部
仁は手を私の前へと差し出す。
私はわけがわからず、首を傾けた。
「迷子にならないように手でも繋いでやろうか?」
「…は?」
「仁が嫌なら俺でもいいよー?」
「…は?」
「仁も央も嫌なら、仕方なく俺が繋いでやるけど?」
「…は?」
一体何を言い出すかと思えば、3人揃って私をからかうような真似を…
まず、仁と央の手首を掴み、それぞれの掌の上に置く。
次に央と奏十の手首を掴み、また掌の上と置いた。
「3人で手を繋げば?」
「俺らには冷てぇな」
「静音ちゃんのいけずー」
「おもしろくねぇー」
この生徒会2年生組はもう…
ゆいちゃんも千尋くんも大変だろうなぁ、色々。
修学旅行中は一くんと話していよ…ってあれ……?
先程まで一くんが立っていた場所には誰もいない。
辺りを見渡してみるが、それっぽい人もどこにもいない。
これ…ひょっとして……
「一くんが迷子…?」
「え?如月の奴、迷子?」
「おいおいはぐれるの早すぎだろ。一と手を繋いでおくべきだったか」
「いやいや、それもどうかと思うけど…」
そんな冗談はさておき、一くんとはぐれたのはまずい。
いつきくんに皆、怒られてしまう。
一刻も早く捜しださなきゃ。