裏生徒会部


奏十と一緒に近くを捜してみたが、一くんはどこにもいなかった。

端へと寄り、壁に背中を預ける。


「仁達もまだ見つけれてねぇみたいだな。…ったく、如月の奴どこに行ったんだか」

「このお寺の周辺にはいると思うけど、人が多くて捜しにくいね」


もしかしたら捜している途中ですれ違っている可能性もある。

もう少し人が少ないお寺とかだったら捜しやすかったんだけど…


「向こう側で自販機見つけたから飲み物買ってくるけど、静音もいる?今なら優しい奏十さんが奢ってやろう」

「え?いいの?じゃあ……なんでもいいから欲しい」

「なんでもいいが一番困るけど、わかった」

「うん。わざと」

「わざとかよ。文句言うなよ」


さっきからかったから、ほんの少しお返しだ。



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