裏生徒会部
目の前を通り過ぎていく人達を見る。
やっぱり一くんは見当たらない。
本当どこに行っちゃったんだろう。
その内、電話とかは来るだろうけど…
「ん…?」
両手いっぱいに手提げ袋を持ち、人混みの中をふらつきながら歩く人がいた。
誰かにぶつかりそうだし、危なっかしい。
私の足は一歩前へと進んだが、二歩目は止まった。
この場を離れるわけにはいかない。
なぜなら私は携帯を持っていない。
一くんに続き、私まで皆とはぐれるわけにはいかない。
奏十が戻って来たら大丈夫なんだけど…
まだ戻ってくる気配はなし。
「すぐ戻れば大丈夫だよね。この人混みから抜けるまでの少しの間ぐらい……」
そして私の足は二歩、三歩とその人の方へと進んだ。