裏生徒会部
どうやら電話が鳴っているようだ。
「もしもし?いっくん、どうし…」
『愛歌!!今どこ!?』
電話越しからでも聞こえる男の人の声。
慌てている様子なのがわかる。
「外よ、外~」
『外ぉ!?なんで!?俺行くまで部屋で大人しくしとけって言ったよね!?』
「だってお土産買うの忘れてたから…あ。いっくーん」
手を振るお姉さんの目先には、車の前に立つ男の人がいた。
恐らく、電話の相手の人だ。
そしてお姉さんが泊っているらしき旅館も見える。
男の人も此方に気付いたのか、すぐに駆け寄ってきた。
「あーもう!熱あるのになんで外出るの。お土産なら俺が買ってきたのに」
「だっていっくんセンスないし」
「うっ……」
口籠りながら、お姉さんが持っている荷物を受け取る。