裏生徒会部


男の人は私に気付き、驚いた顔をする。

そしてつま先から頭まで見ると、首を傾げ、お姉さんの方を向いた。


「えっと…愛歌の知り合い……?」

「ううん。さっき会ったばかり」

「え!?」

「私がふらついてたみたいで、助けてくれたの」

「えぇっ!?ごめんね、迷惑かけて!」


そう言ってすぐさま私の持っていた荷物を持ってくれた。

むっとした顔でお姉さんの頬を軽くつねる。


「あーもう。迷惑かけて…お礼言ってさっさと部屋戻って」

「はぁーい。ここまで手伝ってくれてありがとね、とても助かったわ」

「いえ、私がやりたくてやったことなので。お土産、喜んでもらえるといいですね」

「ふふっ、そうね。本当に有難う」

「お大事に」


お姉さんは手を振ると、旅館の中へと入って行った。

さて、私も早く戻ろう。

絶対怒られるけど。



< 630 / 739 >

この作品をシェア

pagetop