裏生徒会部
「わっ!?」
「うおっと!?」
「す、すみません!!大丈夫ですか?」
前を見ずに、ただひたすら走っていた為、誰かにぶつかってしまった。
慌てて顔をあげると、スタンプラリーのカードを握りしめた一くんが驚いた顔で立っていた。
「静音じゃねーか」
「一くん!!今までどこにいたの?仁達とずっと捜してたんだよ」
「え。そ、そういや仁達いねーな…気づかなかった」
「ははは」と笑い、頭を掻く。
やはり、いつきくんの言っていた通り、何かに夢中になると周りを一切見ていないようだ。
ってまぁ、私も迷子になってしまっているわけだし…一くんを責めることなんてできないんだけど。
一くんは携帯を取り出すと、すぐに青ざめた顔になった。
「仁からすっげー着信きてる……」
「うわぁ…」
「静音…どうすればいい?」
画面を見せてもらうと、画面いっぱい『仁』の名前で埋め尽くされていた。
この着信数を仁の怒り度数だとすると…
考えたくもない。