裏生徒会部
しばらく待っていると、また仁が話し始めた。
『もしもし?浅井さん。今、どこにいるかわかりますか?』
「えーっと…」
「仁はなんて?」
「今どこにいるかわかるか、って」
「今はー……ここだな」
一くんは、スタンプラリーのカードの裏に描かれていた地図で場所を指差す。
てっきり、遠くまで来ていたと思っていたけど、そんなに最初にいたお寺から離れていなかった。
今いる場所を仁に伝えると、少し間を空け、返事が返ってきた。
『わかりました。今から僕と央と奏十でそちらに向かいますから、その場にいてくださいね』
「は、はい」
『絶対に、動かないでくださいね』
「は、はい…」
通話が切られ、携帯を一くんに返すと、とても怯えた表情で私を見てくる。
私が敬語で「はい」と答えたことで察したようだ。
「絶対に」と強調されたのが、なんとも恐怖心を煽る。
「とりあえず…そこにでも座ってよっか」
「お、おう。そうだな」
お互い、深い溜め息をつきながら、近くにあったベンチに腰掛けた。