裏生徒会部
仁の怒りが少しでも収まるように、待っている間に言い訳でも考えていよう。
何がいいかな…
「そういえば、静音」
「何?」
「俺様を捜して来た、って感じには見えなかったが、何かあったのか?」
どうやら私が1人で走って来て、どう見ても偶然一くんにぶつかった、という様子が不思議らしい。
そうだよね…普通。
私もまさか一くんにぶつかるなんて思ってもいなかったし…。
「ううん。なんでもないよ。ごめんね、ぶつかっちゃって…走って来たことは気にしないで」
「………」
納得していないような表情で、私を見る。
そして、後ろを向き、鞄から何かを取り出す。
背を向けたまま、動かない。
何してるんだろう……。