裏生徒会部


さっき気づいた感情を無視して…気づかなかったふりをして…

そうやって昔みたいに逃げちゃ駄目だ。

昔は自分が後悔するだけで済んだことだけど、今は違う。

今の関係が壊れてしまうのが怖いとか、そんな私の勝手な我儘でこれ以上…

皆にずっと待ってもらって、迷惑をかけて、甘えちゃ駄目だ。

柚希ちゃんにも悠くんにも…そして一くんにも、もうちゃんと返事をしなきゃ。


「静音…?」

「…ごめんね、一くん。……っ…本当にごめんね…!」

「え!?お、おい、静音!?どうした!?俺様は別に静音に謝ってもらうことなんか」

「こんな…こんな私の事を好きになってくれたのにっ…私のことを想ってくれて、待ってくれてたのにっ……」

「…うん」

「…応えてあげられなくて…ごめん……」

「静音…」

「私…他に好きな人がいるの。だからっ……一くんの気持ちには応えられない」


私は…柊也が好きなんだ。


< 638 / 739 >

この作品をシェア

pagetop