裏生徒会部
さっきの感情で確信した。
見ていると、胸の辺りがぎゅっと締め付けられるようで、苦しい気持ち。
だから、早くあの場から離れたくて走った。
紛れもなく…嫉妬だ。
「っ…静音、ごめん!」
一くんは手を離したかと思うと、次は力強く私を抱きしめた。
一くんの温かい体温が伝わる。
「静音に好きな奴がいるっつーのに、抱きしめたりするのは駄目だと思うけど…今だけ。話が終わるまでだけ許して欲しい」
「……うん」
「静音が俺様以外の奴のことが好きなのはすげー悔しいし、今すぐにはちゃんと納得もできねー」
「……うん」
「でも…それよりも…静音が俺様のことを考えて返事をしてくれたことがなによりすげー嬉しいんだ」
「…うん」
「だからさ、静音は泣かなくていい。謝らなくていい」
そっと身体を離すと、また私と目を合わせる。
一くんの瞳は少し潤んでいるようにも見えたが、これは自分が泣いているからそう見えるのか…
わからない。