裏生徒会部


早くも修学旅行2日目。

1日目は班で固まっていたものの、全体行動だったため、特に問題が起きることもなく無事に終わった。

…いや、普通の修学旅行であれば何かが起きる、なんて思うもんじゃねぇけど。

どうも修学旅行が始まる前から不穏な予感がして仕方ない。

朝、玄関に集合となっていたのだが、来ているのは星野だけだ。


「おはよう、星野」

「………おはよう」


相変わらず、素っ気ない態度で挨拶を返す。

向こう側で何やら騒がしい声がし、目線を移すと、1日目と同様の光景が目に入った。

また今日も仁が女子に囲まれ、身動きが取れないでいる。

朝からご愁傷様だな、仁。

その少し離れた所に静音達がいるのが見えた。

央が静音の背中を押し、静音はそれに抵抗しているようだ。


「お前ら何やってるんだ?」


俺の声に反応し、此方を振り向く4人。

奏十は何も言わずに仁を指差す。

大体、何をやろうとしていたのかを察した。


「で、誰か犠牲になって仁を連れ出すっつーことでじゃんけんしてたわけ」

「なるほど。それでお前が負けたのか」

「あ、そうだ。柊也が静音ちゃんの代わりに行ってあげれば?」

「は?何で俺が」


どう考えてもあの集団の中に入り、仁を連れ出すのは面倒だ。


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