裏生徒会部


その静音達の走って行った方向を唖然と見る仁を囲んでいた集団は、次は此方を向き、近づいて来る。


「ちょっとあんた、急にな」

『おいそこー!いつまでいるんだ。早く出発しなさーい!』


先生がそう注意すると、不満そうにしつつも、女子達はバラバラと宿を後にした。

…助かった。

先生の声がした方から、星野が小走りで此方へ戻ってくる。

もしかして…


「星野か?先生呼んだの」

「ち、違うし……」


そう言い、目を逸らす。

どうやら俺が思っている通り、星野が先生を呼んだようだ。

わかりやすい。

しばらくすると、吉川、中村、三上の3人は遅れたことに悪びれる様子もなくやって来た。


「よーし。えみ達もしゅっぱーつ♪」



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