裏生徒会部


寺を出る前に、「ちょっと向こうに行ってくる。4人で」と珍しく星野を連れてどこかへと言った。

俺はここで待ってろと言われ、数十分以上は待ってるんだが…遅すぎないか。

捜しに行くか迷っていると、仁と央がキョロキョロとしながら足早に寺の奥へと入って行くのが見えた。

2人だし、何かを捜しているような様子…

もしかして何かあったのか?


「聞いてみるか」


すぐに俺も仁と央の後を追うように向かう。

確かこの辺で右に…。

その方向はあまり人気の少ない場所。

仁や央よりも先に、その隅の方にいる4人を見つけた。

何やってるんだ、あいつらは。

入りずらい空気が漂っている。

近づき、物陰に隠れて様子を窺う。


『ゆっきー、一ノ瀬くんと付き合ってるの?』

『さっきも言ったけど、付き合ってないよ』

『じゃーさ。どうして一ノ瀬はそんなに友紀子のこと構うわけ?』

『あたしは知らないよ…』

『ねぇ、ゆっきー。いい加減に本当のこと言ったらどう?』

『いつまで嘘つくつもり?えみが可哀想だと思わないわけ?』

『………』


三上、中村に挟まれている吉川は下を向いている。

その3人の前に星野は立っている。


< 647 / 739 >

この作品をシェア

pagetop