裏生徒会部
公園のような場所に着くと、ベンチに座って星野は泣いていた。
追いかけて来たものの、なんと声をかければいいのか思いつかない。
そもそも俺はこういう面倒事には首を突っ込まなかったはず。
一々追いかけたりしなかったはず。
いつの間に俺はあいつにこんなに影響されたんだ。
「…言っちゃった。またあたしはひとりぼっちにされちゃうんだ……」
「星野…」
「……一ノ瀬くんのせいだ。あたしに余計なことをして構うから……一ノ瀬くんのせいであたしには…友達がいなくなった」
下を向いたまま立ち上がる。
俺が星野に言われた「余計なこと」をしなければ、こんなことにはならなかった。
それは言えている。
だが…
「友達がいなくなったってお前、本気で言ってんのか?」
「そうよ…一ノ瀬くんには友達がいていいわね。…あたしと違って」
「…ふーん。じゃぁ、お前にとって咲は友達じゃないのか」
「っ……咲…ちゃん…」
「咲はお前のことを心配してた。同じ学年じゃない、同じ学校じゃない。助けたくても助けられない。だから俺に頼んで来たんだよ」
「咲ちゃんが…一ノ瀬くんに…?」
「こんなにお前のことを想ってくれてても、お前にとっては、咲は友達じゃないんだな?」
あれから、ほとんど毎日のように咲は星野の様子を聞いてくる。
最初は完全に俺任せにして、てきとうな奴だと思っていたが…
本当は自分が近くにいて、星野の力になりたかったんだろう。