裏生徒会部
ベンチへと座らせ、数分経つと、落ち着いてきたのか手で涙を拭き始めた。
目は真っ赤に腫れていて、一目で泣き後だとわかる。
「一ノ瀬くん…ごめんなさい。今まで余計なお世話だとか、酷い態度をとっちゃって…」
「別に気にしてない」
「…本当は嬉しかった。あたしがあんな態度なのに気にかけてくれて」
星野は立ち上がり、俺の前に立つ。
「一ノ瀬くん、ありがとう」
「…礼を言うなら俺じゃなくて、咲に言ってやれ」
「うん、勿論咲ちゃんにも言う。でも、一ノ瀬くんにも言うよ。ありがとう」
俺に向かって手を差し出すと、目を横に逸らし、ぼそぼそと何かを言っている。
全く聞き取れない。
「何?」
「だ、だから…その……」
「何だよ」
「あ、あたしと……とっ友達に…なってくれる?」
差し出された手を掴みも、払いもせずに俺は立ち上がる。
「ありのままの星野とならな」
星野は一瞬、目を丸くした後、眼鏡を外し、笑顔を見せた。