裏生徒会部


寺に戻り、星野は「3人とちゃんと話をする」と、3人を捜しに行った。

さて、俺は今からどうするかな。

宿に帰って寝ていたいところだが、先生に何か言われるのは面倒だ。

そういえば、俺は仁と央を追いかけていたんだっけ。

気になり、電話を掛けると、珍しくワンコールも鳴らずに繋がった。


『もしもし?若?』

「柊也だけど」

『なんだ、柊也かー。どうしたの?何か俺に用事?』


電話を掛けた理由を話すと、「見られてたんだ」と驚いた声で返事がきた。


『今ね、若を捜してるんだ』

「若って一?捜してるってことはまさか…迷子か?」

『うん。そのまさかだよ』


電話を何度も掛けるが全く出ないらしい。

メールをしても返事なし。

それで、仁と央、奏十と静音の二手に分かれて捜しているようだ。

だからあんなにキョロキョロと周りを見ていたわけか。


『おまけにさ、なぜか静音ちゃんも迷子になっちゃってさー』

「は?」


どうしてあいつまで迷子になってるんだ。

つーか、どうやったら迷子になれるんだよ。

奏十と一緒にいたんじゃなかったのか。


「電話は?」

『それが、静音ちゃん携帯忘れてきてるんだよねー』

「…まじか」

『まじまじ』


あいつのこういうところは絶対影響されたくない。


< 652 / 739 >

この作品をシェア

pagetop