裏生徒会部


静音は奏十が飲み物を買いに少し離れ、戻ってくるといなくなっていたらしい。


『それで…あ、ちょっと待ってね。………えっ、本当?…うん。わかった』


微かに仁の声が聞こえる。

おそらく、仁と何かを話しているんだろう。

多分、一はスタンプラリーをしているらしいから、そのスタンプが設置してある場所を捜せばいいか。

静音は……わからない。

本当にあいつは何をやってるんだ。

そういえば、安倍の家に行く時、方向音痴だったよな…

何かがあって、その場を離れて戻れなくなった、って可能性あるよな。


『ごめん、柊也。お待たせ』

「あぁ。何かわかったのか?」

『うん。2人とも見つかったみたい。今から俺らで迎えに行ってくるよ』

「そうか」

『柊也がすーっごく心配してたって言っておくよ』

「言わなくていい」

『ってことは心配してたのは本当なんだ?』


電話越しだが、央のニヤニヤとした顔が容易に想像できる。

もう電話を切ろう…。


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