裏生徒会部


見つかったのは良かったが、結局、俺が暇なことは変わってない。

まじでどうするかな。


「おやおやお兄さん。こんなところで1人で何をしているのかね?」


そんな声が聞こえ、顔を上げると、変なお面をした奴がいた。

手には「スタンプラリー」と書かれた厚紙を持っている。


「お前こそ何やってるんだよ、翔」

「私は翔ではない。謎のーかめーんえーっくすぅーである!」

「いや、そういうのいらないから」

「やだー柊也ノリわるーい」


お面を外し、口を尖らせているのはやはり翔だった。

いつもは大体隣にいる瞬の姿はない。

班が違うのか。

というより、班行動だからあと4人いるはずなんだが…

翔1人しかいない。

まさか翔も迷子になってた…とかだったりしないよな。


「班の奴らは?」

「さぁ。俺、単独行動してるから知らなーい」


翔は今朝、宿でスタンプラリーのカードを貰った。

で、スタンプラリーをしようと思ったが、班で事前に決めていたルートとスタンプラリーのルートが違い、単独行動をすることにしたらしい。

変なお面は先生に会った時にバレないように買ったとか。

瞬と違って超自由人だな…。


「そのスタンプラリーは何か貰えるのか?」

「うん。何が貰えるかはわからないけど、貰えるらしいよー」

「何が貰えるのかわからないのにやるのか」

「だって気になんじゃーん。あ、そうだ。柊也も一緒にやろう」


まぁ暇だし付き合うか。


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