裏生徒会部


夜。

翔とのスタンプラリーは意外にも時間がかかり、暇つぶしどころか集合時間を過ぎて宿に戻る事となった。

俺も翔も先生に怒られたが、翔は全く反省している様子はなかった。

付き合わずに仮病でもして宿に戻っておくべきだったか。


「よーし。枕投げ第2夜!今日も大貴をボコボコにするぞー!」

「待て待てい!なんでやねん!昨日も酷かったけど、翔は俺に恨みでもあるんか!?」


飯も風呂も済ませ、部屋では昨日と同じく2チームに分かれて、枕投げが始まろうとしていた。

俺は巻き込まれないように、すぐに部屋の隅に避難する。

一日中歩き回ったのによくもまぁ元気があるものだ。

特に中西と翔が。


「だって大貴に当てたらおもしろいじゃん?ほらほら、瞬も用意して」

「やらない。翔、寝るよ」

「えーっ!?いいじゃん、瞬~。ってか成もやろうよー」

「僕がやるわけないだろう。東野兄、大貴。お前らも早く寝るんだ」

「えーいっ」


布団に入ろうとした月森の後頭部に翔の投げた枕は見事にヒット。

「うえーい」と喜ぶ翔に、周りからは拍手が送られる。

月森はそのままスルーをする……

わけがない。

枕を拾い上げ、翔に向かって思いっきり投げた。

それは決めポーズをとり、周りと喜び合っていた翔の顔面にヒットした。


「っ…いったー!!」


その翔の声に、先程まで布団に入り、横になっていた瞬はむくりと起き上がった。




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