裏生徒会部


起き上がった瞬は黙ったまま、自分の使っていた枕を掴み、思いっきり月森に向かって投げる。

それは凄い勢いと早さで、月森の顔の横を通り過ぎた。

当たってたらすげぇ痛かっただろうな、あれ。


「なななっ…なんやねん今の!!」

「ひ、東野弟!!お前はやらないんじゃなかったのか!!」

「翔に被害を与えたのなら別」


中西、月森と東野兄弟、そして周りの奴らは各々枕を掴み、構える。

ふと翔と目が合うと、ピースをしてウインクをしてきた。

どうやら月森も瞬もまんまと翔の策にかかり、自然と枕投げに参加する流れになったようだ。

端で避難しているとはいえ、いつ俺も被害に遭うかわからない。

別室の奏十がすげぇ羨ましい。


「ん…悠?」


手に振動を感じ、携帯を見ると、ディスプレイには「白木 悠」と表示されている。


『もしもし柊也先輩、お疲れ様でーす』

「お疲れ。どうした?」

『そろそろ俺と会えなくて柊也先輩が泣いてる頃かと思って…』


無視しとけば良かったか。




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