裏生徒会部


「切るぞ」

『あぁっ!待った待った!冗談ですって。もー』

「じゃ、なんだよ」

『それがですねー…』


修学旅行前に悠は静音から相談を受けていたらしい。

俺が悠のことを気にしていたらしい、と。

悠が静音に告白していたのを聞いてしまって、その先が気になり…つい静音に口走ってしまおうとした時。

途中で聞くのをやめたが、静音は「悠くんが何?」と聞いてきた。

俺はなんでもない、と答えたが、おそらく静音はずっと気になっていたんだろう。

だから悠本人に心当たりがないか相談をしていたようだ。

あいつは俺の言いかけた一言だけで、そんなに気になるのか…。


『修学旅行前に聞いておこうと思ったんですけど、タイミング逃しちゃって』

「別に気にしなくていい。なんでもねぇから」

『本当ですか?信じられないなー』

「ほんと」

『やっぱ柊也先輩、絶対俺に何か隠し事してるでしょ?最近少しよそよそしかったし…』


あまり意識はしていなかったが、よそよそしくなっていたのか俺。


『正直に言うまで電話切りませんからね』

「俺から切るから問題ない」

『あ、ずるい!何度もかけてやりますよ』

「電源切るから問題ない」

『えっ…じゃ、じゃあ……そうだ!仁先輩に言いつけてやります!』

「それは……問題あるな」


もう正直に話すか。

悠も俺から聞き出すまで諦めそうにないし。


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