裏生徒会部


…と、あっという間に約束をした大晦日となったわけだ。

今になって冷静に考えてみると、「一緒に」と言ったとはいえ…

柊也と二人きり、というわけではないんじゃないか。

咲也くんとか悠くんとか吉野くんとかも「一緒に」な気がしてきた。

いや、その可能性が断然高い。

浮かれて一生懸命服装を決めていたけど…


「もうこれでいいや」


そう、最後に着た服装にした。

そうだよね。だって柊也だもん。

誘われたこと自体が驚きなのに、二人きりなわけがない。

全く…私はこの大晦日までどんだけ浮かれていたんだ。


「お母さん、凪さん。いってきまーす」

「いってらっしゃーい。気をつけて。柊也くんによろしくねー」

「はいはい」


玄関を出ようとした時、急に腕を掴まれる。

びっくりしたまま振り返ると、ピーッと笛を咥えた凪さんがいた。

何やってるの凪さん…。


「お待ちください、静音様。チェックを致します」

「チェ、チェック…?」

「はい。こんな夜遅くに出かけられるのは大変危険です。まず、防犯ブザーは持たれましたか?」

「持ってないよ…」

「ピーッ」

「わっ!?」


笛を吹き、ポケットから黄色いカードを出す。

何これ…イエローカードってこと?



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