裏生徒会部


凪さんはまたポケットに手を入れると、次は防犯ブザーが出てきた。


「なぜ持たれていないのですか。駄目ですよ」

「は、はい…」

「はい、では次です。催涙スプレーは持たれましたか?」

「持ってないです…」

「ピーッ」


また笛を鳴らされた。

次にポケットから出されたのは…赤いカード。

つまり、レッドカード。退場ってこと…。


「これは行かせられませんね…」

「えぇっ!?」

「…というのは半分冗談です。持って行ってくだされば許します」


そう言ってまたポケットに手を入れ、催涙スプレーを取り出した。

凪さんのポケットって四次元ポケットなの…?

私は素直に防犯ブザーと催涙スプレーを受け取り、鞄へとしまう。

も、もういいかな…大丈夫かな。


「それともう1つ」

「えっまだあるの!?」


凪さんは私に近づき、前髪に触れた。

何してるんだろう…。

じっとしていると、「出来ました」と私の目の前に鏡を出した。

鏡には可愛らしい髪留めが映っている。


「凪さんこれ…」

「私からのプレゼントです。今年はたくさんお世話になりましたから。やはり静音様に似合いますね」

「凪さんありがとう!嬉しい!」

「喜んでもらえて光栄です。では、柊也様とのデートを楽しんできてください」

「うっ…はい…」


デートではないんだけど…。

私も凪さんに何かプレゼントしよう。

そう思いながら、神社へと向かった。


< 677 / 739 >

この作品をシェア

pagetop