裏生徒会部


月桜の近くにある神社に着く。

わぁ…こんな時間なのに人がいっぱいいる。

さすが大晦日だ。

時間は約束通り23時ぴったり。

本当はもう少し早く着くつもりだったんだけど、凪さんに捉まっちゃったから…。

まぁ、貰った髪飾りは可愛くて凄く嬉しかったけど。


「柊也は……」


辺りを見渡し、柊也を捜す。

こんなに人が多いなら、神社、ってだけじゃなくてもう少し詳しく場所を決めるべきだった。

んー…いないな。

柊也のことだし遅れてくる可能性はある。

部活は大体私より遅いし、依頼で部室以外に集合する時も遅いからなぁ。


「あ。いた」


そんなことを考えていると、腕組みをして、私がいる場所の反対側を向いている柊也を見つけた。

ちゃんと時間通りに来ているとは。


「柊也」


私が名前を呼ぶと、此方を向く。

制服以外を着た柊也を見るのは久しぶりで、なんだかいつもと違うように見える。


「ごめん。待った?」

「いや。そんなに待ってない」

「そ、そっか」


やばい。何この会話。

凪さんが「デート」なんて言うから、妙に意識してしまう。


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