裏生徒会部
悠くんは私の顔を見ると、首を傾げる。
「どうしたんですか?」
「それが……」
私は悠くんに正直に話した。
今とは正反対の弱気で地味だった笹島さんを…
あんなにかっこよく、自信あふれる笹島さんにしたのは私ではないことを。
そう、あの時の私は自分から笹島さんを変える、なんて言っておいたくせに、忙しく…
9割方、嵐ちゃんと伊織くんに任せっきりだった。
そしていつの間にか笹島さんは別人となって、私の前に再び現れたのだ。
だから、どうやって笹島さんをあんな風に出来たのかは知らない。
聞こうと興味を持っていたけど、忘れてたし…。
「えぇっ…まじですか」
「まじです。ごめんなさい」
あんな期待された目で見られたら、正直な事も言えないし、断れないよ。
「っていうか、嵐ちゃんってあの夏フェスの時の不良ですよね」
「うん。そうだよ」
「よくその不良が話を聞いてくれた上に協力してくれましたね」
あれは無理矢理連れてきた双子ちゃんと仁の「あんまん」効果だったからなぁ…。
今、少しは仲良くなったとはいえ、嵐ちゃんは「面倒だから嫌」と断るだろう。
となると、伊織くんに協力してもらうしかない。
あんまり話したことないけど…最後の望みだ。
「とりあえず、嵐ちゃんは無理そうな気がするから、伊織くんのところに行こう」
「伊織って早乙女伊織ですか?」
「うん。悠くんひょっとして友達だったりする?」
悠くんが伊織くんと友達だったら、協力してもらえやすいかも。