裏生徒会部
宮井は顎に手を添え、また考え出す。
「んー…やっぱり要くんかなぁ……。要くんなら許せる…」
要…ってなんか宮井が静音に話してた時に出てきた名前の奴だよな…。
「なぁ、その要って奴、ここの学校の奴なのか?」
「え?えーと、確か月桜だったとは思いますけど…私より4つくらい上だったので、もう卒業してますね」
「そうなのか」
「病院でいつも会っていたんですけど、おじいちゃんが退院してからはずっと会っていないので、今はどうしているのか知りませんよ?」
宮井の4つ上ってことは俺の3つ上…要……。
あれ…そういや昔、ピアノを習ってた時に俺によく教えてくれた奴が要って名前だった気がする。
当時は苗字が言いにくく、「要」と呼んでいた。
「その要って苗字?」
「いえ。下の名前ですよ。楠ヶ谷要くんです」
楠ヶ谷要……そうだ。楠ヶ谷だ。
隣の部屋で習ってた。
休憩時間に俺が習っている部屋に来ては俺に教えてくれていた。
辞めて以来、1度も会ってないから忘れてたけど。
まさかあの要が静音と宮井の知り合いだったとは…。
こんなことってあるのか。