裏生徒会部
数分後、「待たせてごめんね」と姫路くんが部室にやって来た。
いつものように目の前のソファに座ってもらい、先程、悠くんと話していたことを姫路くんに話した。
「そう……だよね。料理や裁縫をすることを嫌いになることも、やめることもできないし…」
「好きな人のタイプに近づこうとするのは相手にとってはいいことだと思うよ。ただ、それで自分を捨てちゃうのは私は悲しいな」
「俺は今の姫ちゃん先輩のままで十分素敵だと思いますよ。ね、静音先輩」
「うん!私もそう思う!」
「背も高くてかっこいいし、料理や裁縫もプロ級に上手いなんて凄いじゃないですか」
「ありがとう。浅井さん、悠くん」
そう照れたように笑う姫路くん。
「俺、このままの俺で仲直りも告白もしてみるよ」
「姫ちゃん先輩、十分男らしいじゃないですか!俺、応援してます」
「私も応援してるよ。…ただ、ごめんね。あんまり力になれなくて」
「ううん。2人のおかげで勇気もらえたし、大事なことがわかって良かったよ。俺は俺のままで、ちゃんと伝えるよ」
「よーし、じゃぁ早速、今日の放課後いっちゃいましょー」
「えぇっ!?今日!?」
「勢いってのも大事ですよ。俺も勢いで告白したことあるんで大丈夫です、振られましたけど」
「えっ!?振られたの!?」
「うっ…」
横目で悠くんが見てくるからつい顔を背けてしまう。
多分、悠くんのことだから、わざとからかってやっているんだろう。
…意地悪だ。