裏生徒会部
恋愛は素直になったもの勝ち
- 静音side -
姫路くんが相手の女の子を呼び出した場所へと私は来ていた。
部室棟の陰からそっと顔を出し、姫路くんと目を合わせ頷き合う。
「後ろから見守っているから頑張って」という合図だ。
姫路くんは勿論、緊張をしている様子で、それを見守っているだけの私も少しだけ緊張している。
相手の女の子が来るまでの時間が長引く程、緊張が高まってしまうから早く来て欲しいものだ。
「えっ!?」
突然肩を軽く叩かれ、驚いて後ろを振り向くと更に人物を見て驚いてしまう。
「なんで柊也がここに?」
「それはこっちの台詞のなんだけど」
「私はちょっとわけっ」
「話はあとで聞く」
右手で口を押えられ、左手では後ろを指さす。
後ろを向くと、姫路くんの前には女の子が立っていた。
一瞬、男の子と見間違えてしまうような美形な顔つき。
この子が姫路くんの好きな子なんだ。
『急に呼び出してごめんね』
『いえ、大丈夫ですよ。それで…その……話っていうのは?』
自分が少し緊張しているせいなのか、心なしか女の子も緊張しているように見える。