裏生徒会部
姫路くんはぐっと拳を握ると、頭を下げた。
その姿に驚いた様子を見せて、少し慌てている女の子。
『姫先輩!?どうしたんですか!?』
『ごめん。俺ずっと謝りたかったのに…』
喧嘩した後…冬休みに入ってしまう前には謝りたかったこと。
そして女の子とは「正反対の子が好き」なんてことを言うつもりはなかったこと。
それらを伝え終わると頭を上げ、真っ直ぐに女の子を見た。
『俺、本当は王子のことが好きなんだ』
『えっ…えぇっ!?で、でも私は見た目も中身も…全然女の子っぽくないですし…』
『関係ないよ。俺はそんな王子が…ううん。王子だから好きなんだよ』
私はそっとガッツポーズをした。
姫路くんかっこいいよ。練習した時よりはっきりと言えてる。
大丈夫。姫路くんの気持ちはちゃんと伝わったはずだ。
姫路くんの言葉を受け、女の子は下を向いた。
『王子?』
下を向いて黙ったままの女の子を心配してか姫路くんは女の子へとそっと手を伸ばす。
『……ごめんなさい』
その言葉が聞こえ、私の手も姫路くんも手も力なく下へと落ちた。