裏生徒会部


部室に着くといつものように柊也はソファに座り、私は机の前にある椅子に座った。

そして疑問に思っていたことを投げかける。


「それで、柊也はどうしてあそこにいたの?」

「さっきの告白の様子を見に行ってたんだよ。つーかお前こそなんで?」

「私もさっきの告白の様子を……え。なんかおかしくない?」


柊也の話によると、さっきの女の子もとい姫路くんの好きな相手の子、王子野詩織ちゃんが柊也と柚木ちゃんに依頼をしていた子らしい。

その依頼は、好きな相手と喧嘩をしてしまったが素直に謝って仲直りすることが中々出来ずに困っているため、なにかアドバイスやいいきっかけになることはないか、という内容。

そこで、柚希ちゃんが謝るついでに告白もしてしまおう、という提案を出した。

今日のお昼休みまで告白するための準備などを色々とやっていたようだが、姫路くんから先に「話がある」と呼び出され、さっきの状況に至る。

柊也はというと、柚希ちゃんが写真部の部活があるために様子を見に行けなく、代わりに行かされたと。


「…なるほどね。どうやら私達も空回ってしまってたみたいね」

「そうだな」


まさか同時進行でこんなことが起こるなんて思ってもみなかった。

部室やどこかで鉢合わせでもしていたら、気づけたのかもしれないけど、そんなことが一度もなかったし…

いやはや偶然とは凄いものだ。


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