裏生徒会部
一息吐こうと、お茶を淹れるために席を立ち、準備を始めた。
そういえばお茶っ葉がなくなっていた気がする。
蓋を開けてみると、案の定中は空っぽだ。
ストックを取ろうと、棚の一番上に手を伸ばすが、あと少し届かない。
「んーっ……」
「何やってんだよ」
「お茶っ葉取ろうと思って」
そう言うと柊也は黙って立ち上がった。
「えっ!?いいよ。椅子持ってきて取るから」
「俺が取ったほうが早いだろ」
此方へと来ると、私の後ろからお茶っ葉を容易く取ってしまう。
すぐ目の前には柊也がいる。
こんな風に柊也と距離が近いことは何度かあった。
というか今日、告白の様子を見ていた時もすぐ後ろにいた。
だけど、今日やそれ以外の時は他のことに意識はいっていて、今のように…
柊也だけに意識を持ったことはない。
「はい」
「…………」
「おい、静音」
「へっ!?」
「取ったから。ほら」
「あ、あぁ…ありがとう…」
取ってくれたお茶っ葉を渡し、一度私の顔を見る。
小さく溜め息を漏らすと目を逸らし、後ろを向いた。
「忘れていいから」
「え?」
「俺がした告白のこと。忘れていいから」
突然の柊也の言葉に私は何も返す言葉が思いつかない。