裏生徒会部
柊也は頬杖をやめて、顔を合わせたままようやく口を開いた。
「悪い。ちゃんと聞こえてた。ただ…」
「ただ?」
「お前が俺を好きだったことが予想外で反応に困っただけ」
「そ、そっか…」
再び静まり返る部室。
黙ったままずっと顔を見つめ合うというシュールな光景だ。
喋るタイミングと、目を逸らすタイミングがつかめない。
さすがに黙ったままずっと見つめ合うのは恥ずかしすぎる。耐えられない。
「お前、顔真っ赤」
「しょ、しょうがないじゃん…柊也がずっと見てくるんだし……」
このまま固まっているわけにもいかない。
折角、沈黙が終わったのだから今のタイミングで聞くしかない。
「っていうか、それで…その…反応に困ったって…嬉しいほうなの?嫌なほうなの?」
「…嬉しいほうに決まってんだろ。俺もお前が好きなんだし」
三度目の沈黙。
今度は見つめ合うだけじゃなく、段々と柊也との距離は縮まっている。
心臓が苦しいくらいドキドキしているけど、止まらずに近づいていく。
「あのー」
「えっ!?は、はい!?」
突然聞こえた声に、ばっと顔を部室のドアへと向けた。
「依頼に来たんですけど、いいですか?」
「も、勿論っ!」
どうやらバレていない様子だ。
あ、危なかった……平常心…平常心…。
柊也は何事もなかったかのようにまた頬杖をついてそっぽを向いていた。
私は小さく深呼吸をして、笑顔を見せる。
「ようこそ、裏生徒会部へ」
- to be continued... -