《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
そう言って、あたしの髪を
クシャッと撫でた。



その瞬間、あたしは柊弥の
胸に飛び込んでた。



イスがガタッと音をたてる
けど、そんなのはたいして
気にもならない。



しっかりと支えてくれる
柊弥の腕の強さを感じて、
あたしはただ、嬉しさと
幸せを噛み締める。



「まさかプロポーズから
サプライズだったとは。

ホントによくやるよ、
柊弥クンは」



聞こえてきたのは三浦さんの声。


続けて、



「まったくね。

しかも何? 
説明もしないでそれ全部、
香川さんに運ばせたの?」



あきれ声の社長が指差す
のは、壁際の小テーブルに
置いた“嫁入り道具一式”。



(そういえば……相当
色んな店まわったけど、
中身はなんなんだろう……?)
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