《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
ただ、柊弥と一緒に働いて
一緒にいる時間――
それさえ守れれば、他には
何もいらない。


あたしは、そう思ってた。




――副社長室に入ると、
まず換気をして花瓶の水を
換えた。



前はこんなことして
なかったけど、今では
毎朝やってる。


柊弥が快適に仕事できる
環境を作るのがあたしの役目。
そう思うようになったから。



季節はすっかり春で、
開け放した窓から吹き込む
風が肌に心地いい。



だから窓を開けたまま
資料の整理なんかを始めた
頃、廊下の向こうから聞き
慣れた足音が近づいてきて――

そして、あたしの上司兼
恋人がドアを開けて入ってくる。
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