《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
思わずツッコミかけたが、
梓はそんなオレにふいに
ふんわりとほほ笑んで、



「体調は大丈夫ですから。

キレイにしときたいんです。
副社長の部屋だもの」



「梓―――…」



まただ。



たまにフェイントで見せる
こんな笑顔には、思わず
ドキッとさせられる。



少し前――そう、まだ
紫苑としてAphroditeでも
働いてた頃には、こんな
笑顔絶対に見せなかったのに。



「……わかったよ。勝手にしろ」



結局オレは降参して、そう
言い残して自分のデスクに
戻った。



梓は食器の洗い物を先に
済ませてから、掃除に
取りかかる。



と、ちょこまか動いていた
梓がピタッとオレの方を
見て動きを止めた。
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