《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
疑問ばかりがマーブル
模様を作って、あたしの
呼吸を詰まらせる。



胸が締め付けられるように
苦しかった。



「………気になりますか?」



静かな声にハッと顔を
あげると――三浦さんが、
穏やかな表情であたしを見てた。



「あ――…えぇと………」



“秘書”のあたしが取り
乱すほど気にするなんて
おかしい。



でもきっと、今さら取り
繕ってもどうしようも
ないくらい、あたしの顔は
ゆがんでるだろう。



それくらい、今のあたしは
揺れてる。


“柊弥の過去”っていう
その言葉に。



「……………」



結局何も言えないで
いたら、三浦さんは苦笑
して『そんな顔しないで
下さい』と言った。
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