君がいれば・・・②
玄関の前に、この間の家政婦が立っていた。



「こんにちは お世話になります」



瀬奈は威圧感のある家政婦に挨拶する。



この間もそうだったが、この家政婦はにこりともしない。



無表情のまま頭を少し下げると瀬奈を招きいれた。



「大旦那様とは夕方お戻りになられます 旦那様はアメリカに長期出張中でございます。ドンヒョク様の帰宅時間はまちまちです」



早口の韓国語で言われて瀬奈は理解に戸惑った。



「あの、もう少しゆっくりお願いできますか?」



そう言うとこれ見よがしに溜息を深く吐いてもう一度言った。



そんなに溜息吐かなくても良いのに……。



自分は歓迎されていないと感じてはいたが、あからさまにこんな態度だと萎縮してしまいそうだった。






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