君がいれば・・・②
キッチンへ行くと、もやしがいっぱい入っている大きなボウルを渡される。



「これは……?」



黙って渡されただけではわからない。



「もやしの根を取ってください」



「根……?」



日本ではこのまま食べたりするけど……?



根がどれかわからない。



もやしを一本持っていると、家政婦が苛立たしげにボウルからもやしを一本取ると豆の部分を取った。



「こんな事もわからないなんて先が思いやられます」



嫌味を言うと家政婦はキッチンを出て行った。



あまりにも早い言葉だったので瀬奈には何を言われたのかわからなかった。



苛立った態度からして良い事は言ってはいないだろうと思ったが、瀬奈は気にしないように努めた。



座ってやっていいと言われなかったから、瀬奈は立ったままテーブルの上でもやし一本一本の根を取ることに集中した。




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