君がいれば・・・②
「次はにんにくを剥いて下さい」



やはり差し出されたのは大きなネットにたっぷり入ったにんにく。



「はい」


はいと言うしかない。



瀬奈はにんにくのネットを受け取った。



やはり大量のにんにくに誰がこんなに食べるのか気になってしまう。



瀬奈は「よしっ」と気合を入れて向き始めた。



小さめのにんにくはむきづらい。



それでも瀬奈は文句を言わずにもくもくと剥いたのだった。



******



パチッと部屋の明かりが点いた。



「まだ終わっていないんですか」



家政婦がいつの間にか薄暗くなった部屋の電気を点けたのだった。



「すみません……」



まだ剥き終わっていないが、あと少しになっていた。



瀬奈は謝ると手を休めることなく剥き続けた。


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