君がいれば・・・②
「大旦那様がお帰りになられました」



インターフォンも鳴らないのになぜ分かるのだろうと思った。



だが大旦那様と言われて瀬奈の身体に緊張が走った。



イスから立ち上がり、家政婦の後を付いていく。




玄関で待っているとすぐにシンの祖父が姿を現した。



「お帰りなさいませ 大旦那様」



家政婦が帽子を受け取る。



「お帰りなさいませ」



瀬奈も家政婦を習って頭を下げる。



「お前か」



瀬奈をチラッと見ただけでどんどん中へ入って行く。



お前か……だけ……。



瀬奈は仕方ないと思いながら後に続いた。






< 119 / 256 >

この作品をシェア

pagetop