君がいれば・・・②
涙を堪えて家政婦の教えるとおりに瀬奈はお茶を入れた。



お盆にお茶を乗せてリビングへ戻る。


祖父は目を閉じて座っていた。



疲れているみたい……。



そう思うと優しくしなければという気持ちになってしまう。



コトッ



お茶を祖父の前に置くと、その音に祖父が目を開けた。



祖父は黙ってお茶を口にした。




「何をしているのですか?早くこちらを手伝いなさい」



キッチンから家政婦が顔を出し瀬奈に言う。



「は、はい」



瀬奈は祖父に頭を下げるとキッチンへ戻った。




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