君がいれば・・・②
はぁ~


瀬奈は溜息と共に笑ってしまった。



ハンドクリームが2ダースも入っていたのだ。



「シンったら……」


こんなにたくさんいらないのに。



「キムさん 1ダース貰っていただけますか?」



突然言われて家政婦は戸惑った。



「これは一番お高いものですよ?」



瀬奈はハングル文字で書いてあるパッケージをじっと見ていた。



「こんなにたくさんあっても困るし、賞味期限……じゃなくて消費期限ってありましたよね?あれ?ないのかな?とにかく使ってください」



瀬奈の勢いに押されて家政婦はしぶしぶ1ダースのハンドクリームをもらう事になった。



******



雑巾がけが終わると瀬奈はシンに電話をかけた。



『セナちゃん』



電話に出たのはジフンだった。



「ジフンさん、こんにちは あの……シンは……」



ジフンが電話に出たと言う事は仕事中で出られないのだろう。



『台本読みでここにはいないんだ』



「シンにありがとうって伝えてください そういえば分かるので」



『わかったよ 伝えておく』



電話を切った瀬奈は壁にもたれてうつむいた。



家ではあまり話を出来ないから電話で話せたらと思っていたのだ……。




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