君がいれば・・・②
近くに車を止めてシンはダッシュボードから濃い目のサングラスを取り出しかけると、賑わう市場の中を進んだ。



背の高いシンは見渡しやすいが今日は安売りらしくいつもより賑わっている。



なかなか前へ進めない。



セナ、どこにいるんだ?


2時間も市場にいるのか……?


シンは一通り、狭い路地までくまなく探し回った。







その頃、瀬奈は……。


完全に迷子になっちゃった……。



スリを追って路地に来てしまったが、市場がどこにあるのかもわからなくなってしまった。



しかも屋敷の住所もわからない。



お金もないのでタクシーで市場に戻ることも出来ない。



瀬奈は道行く人に市場を聞きながら歩いていた。



擦りむいた膝が痛い。



立ち止まって膝を見ると血が流れていた。



ズキズキと痛み、長い時間歩いて足も痛かった。



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