君がいれば・・・②
なんとかいろいろな人に聞き歩き、やっと市場を見つけることが出来た。



でもまだ知っている場所には行きつけない。



軽かった荷物はずっしりと重くなって反対の手に持ち替えた。



「キムさん、怒っているだろうな……」



時計も持っていないからあれから何時間経ったか分からないけど、薄暗くなってきている。



結構時間経っちゃったな……。



再び歩き始めた時、



「セナ!」


シンの声が聞こえたような……。



いるわけがないのに。



空耳まで聞こえちゃうなんて相当シンが恋しいのかも……。



「セナ!」


えっ?


瀬奈はぐるっと辺りを見渡した。



人ごみをかき分けて走ってくるシンの姿を目にした。




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