君がいれば・・・②

思わぬ方向へ

自宅の電話も誰も出ない。



シンは眉間を寄せ深いため息を吐いた。



「出ないのか?」



運転席のジフンがバックミラー越しに顔をしかめたシンを見た。



「ああ……」



「マスコミが自宅に電話をするんだろう コードを抜いているんじゃないか?」



自宅に直行したいシンだがこれからスタジオへ行かなくてはならない。



セナ……。



自分の口からなんでもないと話すまで変な噂をセナに知られて欲しくない。




だが、シンの願いも叶うことなく瀬奈はシンとユナが大きく載った新聞を目にしてしまった。



「どうして……」


思わず声が漏れる。



リビングのテーブルに大きく広げられた新聞を片付ける手が震える。



写真はパーティーでグラスを片手に寄り添っているシンとユナ。



シンは笑顔でユナはシンの顔をうっとりと見ていた。





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