君がいれば・・・②
「ナイフ……もしかしてセナは心的外傷?」


シンが呟いた。



そうだ、考えてみれば今朝倒れたのもキムさんが包丁を持っていて見たときだった。



あの倒れ方は誰が見ても異常だった。



「セナ……」


ずっと苦しんでいたのか?



「おい、心的外傷って……?」



ジフンが話がわからないと言った顔で聞く。



「トラウマの事だよ セナは一度腕をナイフで刺されただろ?あの時恐怖が思い出されてパニック障害を引き起こすんだ」



「あの時、しっかりご報告していれば病院に通い完治していたかもしれません……申し訳ありませんでした」



雇い主はシンであってセナではないのだからしっかり報告すべきだった。



ドヨンは深く頭を下げた。



「ドヨン、顔を上げてくれ セナが絶対に話さないように言ったんだろう?」



俺に心配かけないように言わなかったに違いない。



そう思うとシンの胸に痛みが走った。



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