君がいれば・・・②
「セナちゃんがそんな事になっていたとは……」



ジフンが深いため息を吐いた。



いつも明るく、祖父に認めてもらおうと頑張っていたセナちゃん。



家事を手伝う時はいつ倒れるんじゃないかと気が気でなかったかもしれない。



ジフンも瀬奈が健気で哀れに思えた。



シンが立ち上がった。



「シン？」


ジフンがどうしたのかと聞く。



「セナの所へ行って来る」



シンは無性に瀬奈の顔が見たくなった。



抱きしめて何も心配は要らないと言ってやりたい。



セナを安心させてやりたい。




静かに寝室に入ると真っ直ぐ自分のベッドに眠っている瀬奈を見た。



静かに近づきそっと柔らかい髪に指を差し入れる。



「ごめん、セナ……もう苦しまないでくれ……」



頭を下げると瀬奈の髪に口付けをした。



そしてベッドの端に座ると眠る瀬奈をずっと見つめたのだった。




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表紙・目次

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