君がいれば・・・②
部屋に戻ったシンは瀬奈がお風呂に入っている間に祖父に電話をかけた。



『何度もかけたのにけしからん』



電話に出て開口一番に出た言葉がその言葉。



シンはうんざりしたような顔になった。



「忙しかったんですよ」



『話がある うちへ来なさい』



「わかりました 明日の朝 うかがいます」



シンの返事を聞くか聞かないかくらいで先に電話を切られてしまった。



せっかちな爺さんだな。



******



翌日の朝、シンのかけた目覚ましに瀬奈も目を覚ました。



「おはよう」



瀬奈はまだぼんやりした目だが、シンはすでにすっきりとした顔だった。



わたしより遅く寝たのに……。



あまり眠らないで済むシンが羨ましくなる。



「まだ寝てても良いよ?」



「ううん 起きるよ」



シンの実家にいた時は5時に毎日起きていた。



今は、6時を回っている。



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