君がいれば・・・②
シンが会場に入り、設けられた席に着くと眩しいほどフラッシュがいっせいにたかれた。



マスコミは何をシンが話すのかは知らされていない。



韓国ばかりか、日本のマスコミ、海外のメディアなども大勢いる。





「お忙しい中、お集まりくださりありがとうございます　これから私が話す事は――」




正面の閉じられた扉付近が騒がしくなった。



そして正面の扉と前の扉の２箇所が乱暴に開くのは同時だった。



「シン、待って！」
「その記者会見、待つんだ！！」



シーンと静まり返った会場に２人の声が同時に響いた。



１人は肩から荒い息をしているセナ。


もう１人は……シンの祖父だった。



祖父の側にハジンがいた。



シンは２人に驚き、イスから立ち上がった。



水をうった静けさから一気にシャッターの音とフラッシュがたかれた。



セナはシンを見てから正面の入り口に立つ祖父を見る。



おじい様……。



< 243 / 256 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop